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節分の飾りに柊(ひいらぎ)いわしを飾る地域があります。主に西日本に多いとされる風習ですが、節分の飾りの期間はどうなっているのでしょう?
柊いわしは、いつ飾って、いつ片付けるのが適切なのか、まとめてみました。
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節分の飾りの期間
節分には、「鰯(いわし)の頭を柊(ひいらぎ)の枝に刺したものを玄関に飾る」という風習があります。主に西日本で行われている慣習ですが、いつ飾って、いつ片付けるのが適切なのでしょう?
実はこれ、正式には決まっていません。地域によって飾る期間が違います。
その中でも代表的な期間を記載すると、
節分の日のみ
1月16日~節分の日まで
節分の日~2月いっぱいまで
と、なります。最も代表的なのは「節分の日のみ」飾るとするもので、この場合翌日には片付けることになります。
また、中には、節分の日から一年間飾る地域や、鰯の頭が猫に食べられるまで飾っておくという地域もあります。
柊(ひいらぎ)いわしは、魔除けの意味で飾るもの。片付ける際に「燃えるゴミにポイ」でいいものでしょうか? 片付けの作法などがあるのでは?
神社で焚き上げてもらう
灰になるまで焼いて玄関前に盛る
玄関先に埋める
塩で清めた後に半紙に包んで捨てる
片付けの作法は、主にこの4つですが、「塩で清めた後に半紙に包んで捨てる」のが、最も一般的です。
節分の飾り なぜ、柊なのか?
柊鰯(ひいらぎいわし)は、節分に魔除けとして、焼いた鰯の頭を柊の枝に刺したものを玄関に飾るもの。では、柊の枝にどんな効果があるとされるのでしょう?
柊の葉の棘が、鬼の目を刺し鬼を退ける
と、されています。節分の魔除けに柊の枝が使われるようになったのは古く、平安時代だとされています。

平安時代に、正月の門口に飾った注連縄(しめなわ)に、柊の枝とボラの頭を刺していたことが、日本文学史上、初めての日記文学であるとされる、紀貫之(きの つらゆき)の「土佐日記」で確認されています。
平安時代に柊の枝に刺されていた魚は、鰯(いわし)ではなく、ボラ。しかし、柊の枝は使われていました。きっと、昔から魔除けの効果があるとされていたのでしょうね。
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節分の飾り なぜ、いわしなのか?
繰り返しになりますが、平安時代に柊の枝に刺されていた魚は、鰯(いわし)ではなく、ボラ。当時「ボラ」は「なよし」と呼ばれていたそうです。
柊鰯(ひいらぎいわし)は上記の平安時代のものに由来するのは確かなのですが、なぜ、「ボラ」から「いわし」に変わったのか、それが定かではありません。

ただ、昔から節分に鰯を食べることは良いことだとされていましたから、そのためかも。
昔から「弱くて卑しい鰯を食べると陰の気を消す」と言われており、節分に鰯を食べることは良いことだとされていました。
なぜ、鰯が弱くて卑しい魚なのかというと、鰯は陸にあげるとすぐに弱って死んでしまうことや、鰯は身分の低い人の食べ物とされていたことから、鰯のことを、「弱し(よわし)」または、「卑し(いやし)」と呼んでいたからです。
鰯(いわし)を漢字で書くと、魚に弱いと書くのもそのためだとか。
また、鰯を焼いたときに出る煙と臭いを鬼が嫌うと信じられていたのも「ボラ」から「いわし」に変わった理由かもしれません。
では、「柊なよし」ではなく、「柊いわし」となった今、いわしの効果とは?
いわしを焼いたときに出る煙を鬼が嫌う。
いわしを焼いたときに出る臭を鬼が嫌う。
煙と臭いに鬼を退ける魔除けの効果があるとされています。
節分の飾りの期間のまとめ
節分の飾りとして用いられる、柊鰯(ひいらぎいわし)。飾っておく期間に実際のところ決まりはない。最も代表的なのは「節分の日のみ」だが、地域の風習に従うのが無難。
柊の葉の棘が、鬼の目を刺し鬼を退け、鰯を焼いたときに出る煙と臭いもまた、鬼を退ける魔除けの効果があるとされる。
この記事がわずかでも、参考になれば幸いです。
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