コペルニクス的転回を具体例を使って解説 英語表記と訳す時の注意点

コペルニクス的転回とは、どういう意味なのでしょう。

コペルニクス的転回?

耳にしたことはあるけど、

意味となると、

はっきりとは…な場合、

コペルニクス的転回の意味を具体例を用いて
解説しますので、コペルニクス的転回の意味
を知りたい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

また、コペルニクス的転回の英語表現と訳す
際の注意点についても、できるだけ詳しく、
わかりやすく解説いたします。


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目次

コペルニクス的転回の意味と具体的な例え話をご紹介します


ニコラウス・コペルニクスは、
地動説を唱えたことで有名な
ポーランドの天文学者ですが、

コペルニクス的転回は、彼が用いた表現ではありません。

提唱者は近代哲学の祖とされるドイツの哲学者

イマヌエル・カント

著書『純粋理性批判』のなかで、自身の認識論を
コペルニクス的転回と表現したのが始まりとされ
ています。

では、なぜコペルニクスなのでしょう。

地動説(地球が太陽の周りを廻っている)が生まれるまでは、

天動説(太陽が地球の周りを廻っている)が絶対的でした。

現在でこそ疑う余地のない地動説も、
コペルニクスが提唱した時代である、

16世紀当時は、まったく受け入れら
れない非常識な発想にほかなりませ
んでした。

その後、100年以上を経て地動説の
正しさが証明されると世界は天地が
ひっくり返るほどの衝撃を受けたの
です。

そのことから、コペルニクス的転回は、

「それまでの常識が180度くつがえされること」

「発想の転換によって新たな道がひらかれること」

という意味で使われるようになりました。

カントの《認識論》も、発想の転換に
ならっています。

それまでの哲学では「認識が対象に従う」という考えが通説でした。

これをカントは「対象が認識に従うのだ」と考えたのです。

わかりやすく説明しますと――

見上げた夜空に月が浮かんでいるとします。

それまでは

「そこに月があるのを自分の目がとらえて初めて月が存在する」

と考えていたのに対し

「自分の目が月をとらえて月があることを認めたからそこに月が存在する」

と考えたわけです。

カントの《認識論》は古代ギリシャ時代から
続いてきた概念を、大きくくつがえすことに
なります。

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コペルニクス的転回の英語表記と訳す時の注意点


コペルニクス的転回の英語表記は、

「Copernican Revolution」ですが

この熟語には《コペルニクス革命》という訳語も
あることをご存知でしょうか。

これは誤訳ではなく、訳し分けから生まれた表現
です。

「revolution」には、政治体制や社会構造が、大きく
変わる「革命」のほか、

思想や技術が大きく変わる「大変革、大転回」と
いう意味もあるからです。

つまり、

「Copernican Revolution」という単語が出てきたら、

前後の文脈から「革命」なのか「転回」なのか
判断しなければならないことになります。

「Copernican Revolution」を訳すとき、

カントの《認識論》、ひいては哲学史上における
対象の側から主観の側への転換を言いたい場合は《コペルニクス的転回》

天動説から地動説への革新的な転換、ひいては、
近代科学史上における歴史的革命を言いたい場合は《コペルニクス革命》

と覚えておくとよいでしょう。

哲学書によく出る《コペルニクス的転回》ですが、

それ以外の本ではどのように使われているの
でしょうか。

いくつか例をご紹介しようと思ったのですが、
著作物の文章を引用してはいけないのでは?

と思いまして、

コペルニクス的転回の表現があったと、記憶
している本の題名だけを、ご紹介いたします。

  • 『革命家・北一輝』豊田穣

  • 『ピーターとペーターの狭間で』青山南

  • 『風に吹かれて』五木寛之

  • 『贋食物誌』吉行淳之介

  • 『現代美学の危機と映画理論』中井正一

  • 『悪人礼賛 中野好夫エッセイ集』中野好夫/安野光雅編

よかったら、参考にしてみて下さい。

コペルニクス的転回の具体例などについてのまとめ


コペルニクス的転回を具体例をご紹介しながら
意味などについて書いてきましたが、いかがで
したか。

今回の記事を書いていて、ふと思い出したのが

「コロンブスの卵」という表現でした。

高校の授業である男子生徒が使ったのですが、

「うわぁーなんか難しい単語使いよった…」

と驚いたことを30年経った今でもよく覚えてます。

「コロンブスの卵」の意味は――

誰かが行ったあとでは簡単に思えることも 最初に思いついて実行することは難しく、また貴重である

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