カフェと喫茶店の違いから「スタバは喫茶店」の理由をおもしろ解説!

カフェインテリア、カフェご飯、おうちカフェ――
といったお洒落なイメージのあるカフェ

ジャズ喫茶、名曲喫茶、漫画喫茶――
といったサブカル的イメージのある喫茶店

ドトール、スターバックス、タリーズ――
といったブランド名が浮かぶコーヒーショップ

実際のところ、カフェと喫茶店の違いは何でしょうか。
また、カフェや喫茶店とコーヒーショップの違いとは?

カフェと喫茶店、コーヒーショップの違いを区別する
定義はあるのでしょうか。


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目次

スタバは喫茶店?カフェとは何?ドトールはどっち?


スターバックス、ドトール、タリーズのような
コーヒーチェーン店は喫茶店と言えそうです。

スタバの外観や雰囲気は、
どう見てもカフェなんですけどね(笑)。

では、なぜ、スタバが喫茶店なのか、
カフェ、喫茶店、コーヒーショップの、
それぞれの成り立ちから見てみましょう。

カフェの成り立ち

《カフェ》はフランス語で《コーヒー》のこと。

これが転じて、飲み物を提供する場の
呼称になりました。

コーヒーが正式に輸入され始めたのは
1877年(明治10年)なのでもう140年
以上の月日が経つことになります。

明治時代から嗜まれていたコーヒーですが
当時は飲食店や社交場で出されるメニュー
のひとつでした。

コーヒーを売りにした、いわゆる《コーヒー店》第1号は
1888年(明治21年)オープンの東京黒門町《可否茶館》
だといわれています。

店名に初めて《カフェ》を取り入れたのは、
1911年(明治44年)オープンの東京銀座の
《カフェー・プランタン》でした。

しかし、この店は本場パリにならって芸術家や知識人の
社交場となっていたため利用者は特権階級層に限られ、
庶民には縁遠い場所でした。

その後開業した《カフェー・ライオン》、《カフェー・パウリスタ》
の登場をもってようやく一般大衆にも身近となる今日(こんにち)の
カフェ形態ができあがったのです。

日本ならではの工夫もありました。

本場パリでは男性だった給仕を、
そろいの制服を着た女性にしたのです。

これが大評判となり、以後、女給(ウェイトレス)
による接客が一般化します。

しかし、弊害も生まれました。サービス内容が過激
になっていったのです。

アルコール提供、派手な服装、性的接待、
卑猥なダンス、チップの授受etc…

ウェイトレスが、キャバクラ嬢やホステスのように
なってしまい、キャバレーやナイトクラブの様相を
呈していったカフェは風俗営業をおびた《特殊喫茶》
として警察の監視下におかれ、

以後、激減の道をたどります。

明治の文明開化によって浸透し、大正ロマンの波に
乗って一気に全国へ普及した《カフェ》でしたが、
その盛衰には意外なドラマがあったのでした。

喫茶店の成り立ち

喫茶店の誕生は、カフェの成り立ちと関係があります。

当初はコーヒー提供の場だったカフェがアルコール提供
と女給接待の場に様変わりしてしまったことから

《カフェ=特殊喫茶》との差別化をはかるために
《純喫茶》が誕生しました。

本来の目的である、コーヒーや軽食提供の場に立ち返ったわけです。

昭和初期に誕生した《純喫茶》は1950(昭和25年)以降、
全国に一大ブームを巻き起こします。

オーナーの趣味嗜好が色濃く反映されたスタイルが次々と誕生。

ジャズ喫茶、シャンソン喫茶、ロック喫茶、
クラシック喫茶、レコード喫茶、歌声喫茶、
カラオケ喫茶、名曲喫茶、ゲーム喫茶、漫画喫茶、

そして現代には欠かせないインターネット喫茶など、
この先も時代の流れにのったスタイルで楽しませて
くれそうです。

コーヒーショップの成り立ち

1980年代に入ると、セルフサービスによる
コーヒーチェーン店が登場しました。

ドトールを皮切りに、スターバックス、タリーズ、
サンマルクカフェ、コメダ珈琲、珈琲館etc…
が次々とオープン、現代に至ります。

前置きが長くなりましたが、スタバのような
コーヒーショップがなぜ喫茶店に分類される
のか、いよいよその謎を解き明かします。

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カフェと喫茶店とコーヒーショップの違いとは?


カフェと喫茶店とコーヒーショップの違いで思い浮かびやすいものに、
まずは、立地や建物、内装に見られる違いがあげられます。

カフェ

都心の華やかな通り沿いにあるオシャレな雰囲気の欧米風の店。輸入雑貨や英字のレタリングがほどこされた内装。BGMはボサノバ。明るい照明。

喫茶店

観光地や古い街並みの路地裏にあるレトロな雰囲気の穴場的な店。アンティーク調の家具や絵画の並ぶ内装。BGMはクラシック。仄暗い照明。

コーヒーショップ

駅前や駅構内にある気軽に立ち寄れてパソコンもできる店。人の出入りが激しく、おひとりさまも多数利用。

次に、カフェと喫茶店とコーヒーショップの
違いには業務内容の違いも思い浮かびます。

カフェ、コーヒーショップ

カウンターで注文をして、自分で席まで運ぶセルフサービス。メニューはレジ上に掲げられた看板タイプ。ドリンクはコーヒー系中心、コーヒー豆やインスタントの販売もあり。

喫茶店

店員が席まで来て注文を取り、運んでくれる。メニューは手に取って見る《お品書き》タイプ。コーヒーのほか紅茶の品揃えも豊富。専用の器具を使って本格的に淹れてくれる。

でも、これらはイメージの違いであり、区別の判断基準にはなりません。

カフェ、喫茶店、コーヒーショップを区別する明確な定義、

それは法律上の違い、つまり《営業許可の違い》なのです。

飲食店を始めるには保健所の許可が必要で、これには2種類あります。

飲食店営業許可

調理全般ができ、本格的なフードメニューと酒類が提供できる

喫茶店営業許可

飲み物のほか、単純な加熱料理(菓子・果物・軽食)のみ提供できる。酒類の提供ができない。飲食店営業許可よりも申請を取りやすい

ただし、喫茶店営業許可を取ったから
といって喫茶店を名乗る義務はなく、

飲食店営業許可を取ったからといって、
酒類や食事を提供しなければならない
義務もないのです。

喫茶店営業許可を取った《カフェ》は、
ご飯類・酒類が出せませんし、

飲食店営業許可を取った《喫茶店》は、
ご飯類・酒類が出せます。

つまるところ、《カフェ》と名乗るか《喫茶店》
と名乗るかは、店主の好みということですね。

では、スターバックス、ドトール、タリーズのような
コーヒーチェーン店はどちらの分類になるのでしょう。

メニューを見てみると、
ドリンク・軽食がメインで、プレートランチや
パスタといった、がっつり系の食事はありません。

よって、スタバやドトールのようなコーヒーショップ
の営業形態は喫茶店営業許可だといえそうです。

外観や雰囲気は、どう見てもカフェなんですけどね(笑)。

カフェと喫茶店の違いなどについてのまとめ


カフェと喫茶店の違いなどについて
書いてきましたが、いかがでしたか。

喫茶店とカフェの定義は、イメージの違いではなく、営業許可の違い。

コーヒーチェーン店は、雰囲気はカフェだけど、営業許可は喫茶店。

ということになります。

最後になりますが「レイコーが好き」と聞いて
何のことかピンとくるでしょうか。

《レイコー》 → 《冷コー》 → 《冷たいコーヒー》

つまり《アイスコーヒー》の略なんです。

年配の昭和世代、とりわけ関西方面で
使われていた呼称(というか、死語?)。

今の若者の耳には、女性の名前に聞こえるんでしょうね(笑)。

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