年賀状書き方のマナーと去年や句読点を使ってはいけない理由

年賀状を書く際に気をつけたいのが書き方のマナーです。年賀状には必ずこう書かなければいけないという決まりはないのですが、長年の慣習の中で培われてきた共通認識といいますか、基本となるマナーが存在します。うっかりすると、常識知らずとか、失礼な人だ、とか思われる恐れもありますので気をつけましょう。

ただ、今さら誰かに聞くのはちょっと… という場合もございましょうから、代わりにと言っては何ですが、年賀状の書き方のマナーをまとめてみました。


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目次

年賀状 書き方の基本マナー


まずは、年賀状の基本的な構成です。

  1. 新しい年を祝う決まり文句(賀詞)
  2. 昨年お世話になったことに対するお礼
  3. 今年も変わらぬお付き合いや指導をお願いする言葉
  4. 相手の健康や幸せを願う言葉
  5. 年号、日付、干支など

「賀詞」「添え書き」「年号」は必ず書きます。「添え書き」に関しては全て書く必要はありませんが、2と3は書いたほうが良いでしょう。印刷される方も多いかと思いますが、添え書きだけでも自筆で書けば相手に対する敬いの気持ちを表せます。

年賀状の書き方のマナーで注意が必要なのは?

まず、「賀詞」の使い方に注意が必要です。賀詞とはお祝いを表す言葉のことで、本来は年賀状に限定されず使われますが、この記事で説明させて頂く「賀詞」とは年賀状の文頭に書かれる新年をお祝いする言葉をさします。

賀詞には「一文字の賀詞」「二文字の賀詞」「四文字の賀詞」「文章の賀詞」の種類があります。「一文字の賀詞」「二文字の賀詞」は目下の人に使う賀詞なので間違っても目上の人に使ってはいけません。

なぜなら、賀詞の基本は四文字とされているからです。「謹賀新年」「恭賀新年」などの言葉より、一文字、二文字の賀詞は簡略化されたものと考えられ、相手への敬意、丁寧さに欠けるものとされます。そのため、目上の人に出す年賀状としては不適切とされます。

誰に出しても失礼にならない「四文字の賀詞」「文章の賀詞」

四文字の賀詞

  • 謹賀新年
  • 謹賀新春
  • 恭賀新年
  • 恭賀新春

文章の賀詞

  • 明けましておめでとうございます
  • 新年おめでとうございます
  • 新春のお慶びを申し上げます
  • 謹んで初春のお慶びを申し上げます
  • 謹んで新春のご祝詞を申し上げます

賀詞を用いる際は重複しないようにします。「新年あけましておめでとうございます」とした場合「新年」と「あけまして」が重複。「あけましておめでとうございます」または「新年おめでとうございます」とします。

「新年明けましておめでとうございます」は間違い?

よく「新年」と「明けましておめでとうございます」が重複しているから間違いだと言われていますが、『問題な日本語』(北原保雄編/大修館書店)の中で正しいという見解を見つけました。

実は上記引用元サイト様のように「新年明けましておめでとうございます」は日本語としては正しい用法だとする見解もあるのですが、引用元サイト様でも書かれている通り、多くの人が「新年明けましておめでとうございます」は間違った用法だと信じているので、やはり使わないほうが無難です。

賀詞を用いる際にもう一つ注意していただきたいのが「文章の賀詞」を使った場合です。「文章の賀詞」を添え書きと勘違いして「賀正」「寿」などの賀詞を併用すると、賀詞の重複になるので注意しましょう。

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A Happy New Yearの「A」はつけない?

本当は「Happy New Year」と書くのが正解です。「A Happy New Year」は「I wish you a happy new year」を省略した言い回しで本来は「よいお年を!」という年末の挨拶を表しています。ただ、日本では年賀状に「A Happy New Year」と書くことが浸透しているので日本人相手に出すのは問題ないと思います。くれぐれも海外の人に「A」を付けて出さないように。

年号のマナー ありがちな間違いに気をつけよう

ありがちな間違いは「元旦」と「一月一日」を重ねて書く場合です。

元旦は「一月一日」のことを指すので両方書いたら重複になります。うっかりやってしまいがちなミスなので気をつけましょう。とくに、印刷されているのに重ねて書いてしまう場合が多いようです。

正しくは「平成○○年 元旦」「○○○○年 元旦」「平成○○年一月一日」のように書きます。縦書きの際は「平成三十年 元旦」と漢数字にします。

年賀状 書き方のマナー 去年を使ってはいけない理由


年賀状は印刷したものを出すという方も多いと思います。しかし、一年に一度の挨拶。出来れば印刷の年賀状にも手書きで一筆添えたいもの。そのほうが丁寧ですし、相手を敬う気持ちが伝わる気がします。

ただ、手書きで添え書きをする際には「忌み言葉」に気をつけましょう。年賀状は新年をお祝いする言葉で挨拶を交わすもの。おめでたい挨拶の中に不吉なことを連想させるような言葉は似つかわしくありません。

とくに注意したいのは去年の「去」の文字。ついつい使ってしまいそうですが、「去」は離別死別を連想させる忌み言葉ですから年賀状には使いません。逝去という言い方があるように「去」は死を連想させます。

なので、年賀状で前の年を表す場合は「昨年」「旧年」の文字を使います。また、他にも「切れる」「落ちる」「終わる」「離れる」「失う」「滅びる」などの言葉も使わないようにしましょう。

年賀状 書き方のマナー 句読点を使ってはいけない理由


年賀状の添え書きには、「、」「。」などの句読点はつけないのがマナーとされています。筆で書かれていた時代の名残りという説や、区切りをつけないために句読点は用いないという説があります。どうしても読みづらく思える場合は、句点の部分で改行する。読点で一文字分開ける。など、書き方を工夫してみると多少、読みやすくなります。

また、最近増えてきたメールでの年始の挨拶なら、句読点なしでは読みづらすぎるので、句読点ありでもいいと思います。

年賀状 書き方のマナーまとめ


  • 賀詞の使い方に注意。目上の人には「一文字の賀詞」「二文字の賀詞」は使わない。

  • 賀詞を用いる際は重複しないように注意する。

  • 「Happy New Year」と書くのが正解。

  • 年号の重複に注意。

  • 年賀状に忌み言葉を使ってはいけない。「去年」ではなく「昨年」「旧年」と表記。

  • 年賀状の添え書きには、「、」「。」などの句読点はつけないのが正式。

この記事がわずかでも、参考になれば幸いです。

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